「魔法少女まどか☆マギカ」の最終回を想像してみる

ほむら「佐倉杏子には本当に美樹さやかを救える望みがあったの?」
キュゥべえ「まさか。そんなの不可能に決まってるじゃないか」
ほむら「ならどうしてあの子を止めなかったの?」
キュゥべえ「もちろん無駄な犠牲だったらとめただろうさ」
キュゥべえ「でも今回彼女の脱落には大きな意味があったからね」
キュゥべえ「これでもうワルプルギスの夜に立ち向かえる魔法少女は君だけしか居なくなった」
キュゥべえ「もちろん一人では勝ち目なんかない」
キュゥべえ「この町を守るためにはまどかが魔法少女になるしかないわけだ」
ほむら「やらせないわ。絶対に」
・・・
キュゥべえ「まどか、時間が無いんだ。今夜ワルプルギスの夜がやってくる。
ほむら一人では倒せない。ボクと契約して魔法少女になって……」
ほむら「……ワルプルギスの夜はこないわ」
キュゥべえ「なぜわかるんだい?」
ほむらは盾からグリーフシードを取り出す。
ほむら「ワルプルギスの夜のグリーフシードよ」
キュゥべえ「君が倒したの?」
首を振るほむら
ほむら「いいえ。倒したのは『前の世界』のまどか」
キュゥべえ「なぜ君がそれを?」
ほむら「盾に入れると時空を越えて取り出すことができるの」
キュゥべえの目の前にかざすほむら

ほむら「私のソウルジェムと同じ飾り」
キュゥべえ「そうだね」
ほむら「時空を遡った後……」
グリーフシードを見つめるほむら。
ほむら「残された私の体は魔女になり、ワルプルギスの夜として時空を遡る」
キュゥべえ「なるほど。そうだとして、今回はなぜ現れないんだい?」
ほむら「説明の前に質問するわ。なぜグリーフシードを集めるの?」
キュゥべえ「穢れがたまると魔女になるからね」

ほむら「うそだわ。魔女が増えても気にしないくせに」
キュゥべえ「え?」
ほむら「ソウルジェムが光を失うのは魔力を使うから。
    グリーフシードに近づけると魔力が補充され光が戻る」
キュゥべえ「その解釈は間違っているよ」
ほむら「魔法少女が魔女になった時のエネルギーはグリーフシードの中にある
    だから回収している」
キュゥべえ「……」
ほむら「奇跡はグリーフシードのエネルギーを開放して起こしている。そうでしょ?」

普段無表情なキュゥべえの口元が微かにゆがむ。
キュゥべえ「いつ、気がついたんだい?」
ほむら「ソウルジェムに他人のグリーフシードを近づけても微かに補充されるだけ」
ほむらは自分の手に持つソウルジェムとグリーフシードを近づける。
ソウルジェムは紫の光を放ちあたりを眩しく照らし始める。

ほむら「ただし、本来はありえない、ソウルジェムに自分自身のグリーフシードを近づけた場合……」
キュゥべえ「やめるんだ!ほむら!」
ほむら「グリーフシードのエネルギーが100%ソウルジェムに開放される」

キュゥべえ「エネルギーがあっても人間に奇跡は起こせないよ」
首をふるキュゥべえ
キュゥべえ「奇跡を起こすためには事象の地平線の特異点を越えないといけないからね」

ほむら「特異『点』ならね」
冷たく微笑むほむら。
キュゥべえ「……まさか……君は……」
ほむら「『虚時間』で時間を移動している私に特異点は無いのよ。ホーキングが言っているようにね」
ソウルジェムはさらに光を増しほむらも光に包み込まれる。
キュゥべえ「やめるんだ!」
ほむら「願いはただ一つ。キュゥべえ、お前も魔法少女もいない、まどかやみんなのいる世界を取り戻すこと」
キュゥべえ「や・め・ろ!」
眩しい光はほむらとキュゥべえを包み込み全てが溶け込んで行った。

・・・

「は〜い、それじゃ自己紹介行ってみよ」
「あ、あの……ほむら、あ、あけみ……です。その……えっと、どうかよろしくお願いします」
「あたし、まどかかなめ。かなめって呼んで」
「そ、そんな……」
「いいって。わたしもあけみちゃんって呼んでいいかな?」


Fin